屋内点検業務におけるドローン活用、具体事例と現状

屋内点検へのドローン活用

空を飛ぶドローンは屋外での活用が注目されがちですが、屋内での活用も可能です。

確かにドローンの機動力を考えると屋外の利用でこそ価値があると言えますし、屋内でのドローン飛行には以下のような課題が存在します。

  • GPSを受信できない
  • 屋内を飛行させる操縦技術
  • 衝突事故を避ける工夫

その反面、屋内でのドローン飛行には以下のようなメリットが存在します。

  • 航空法の規制対象とならない
  • 天候に左右されない

中には耐候性に優れたドローンも存在しますが、高価ということもあり誰しもが手を出せるものではありません。フライト予定が天候によって左右されることは多々あります。

そしてドローンを活用したビジネスを新たにスタートしたい企業にとって、航空法の規制は非常にハードルが高いのも事実です。こうした点を考慮すると、屋内でのドローン飛行のメリットは、非常に大きなメリットと言えるでしょう。

屋内でのドローン飛行における課題点は、既にハードウェアやソフトウェア両方のアプローチにより、解決する技術開発が次々に完成しています。

まだ実証実験段階であるものを含めても、国内外をはじめ屋内でドローンを活用する事例は着実に増えつつあります。

屋内設備とはいえ、非常に大規模であれば人の手による設備点検は難しくなります。そういった場合に、ドローンを活用するというのが一つの解決策となり得ます。

実際の事例をいくつか紹介いたします。

ドローンを活用した自動車工場の設備点検

自動車メーカーであるFord社が、自動車工場内に設置されている長さ40mを超える「ガントリー」とよばれるクレーン状の設備を点検するために、ドローンを活用した事例です。

従来は足場を組んだり昇降台を用いた作業で、一つの区画を点検するのに12時間を要していましたが、ドローンを導入したことにより一つの区画の点検時間が12分に短縮できたそうです。

ドローンを活用した下水道管内点検

株式会社日水コンとブルーイノベーション株式会社による、国内初の事例です。

背景・ねらい

 日本国内の下水道管路全体の約3%は建設後50年が経過しており、老朽化した下水管の腐食に伴う道路陥没が多発しています(2014年で年間3,300件)。今後も老朽化した管が急増※2するため、下水道法が改正され(H27)、全ての下水管施設を対象に適切な時期に点検等を行うこと、特に、腐食の恐れの大きい箇所は5年に1回以上での点検義務が課されましたが、人体に有害な硫化水素の発生やゲリラ豪雨等による下水道の氾濫といった作業員の安全上の問題(実際に死亡事故も発生)に直面しておりました。

これらの問題に対し、日水コン・ブルーイノベーションは共同でドローンによる点検・調査技術の開発に取組み、国土交通省の下水道革新的技術実証事業であるB-DASH プロジェクト※3に参画、実証実験を重ねてまいりましたが、このたび手動操縦によるテスト飛行に成功し、今秋より横浜市をファースト・ユーザーとして試行サービスを開始することになりました。

下水道管の老朽化に伴い点検業が増加していく一方で、作業員が危険にさらされることもあるという二重の問題を抱えています。
これらの問題を一括して解決する策としてドローンが用いられています。 点検方式や点検における精度については言及されていませんが、人の手による作業よりも安全かつ効率的であるという結果が得られたとのことです。

ドローンを活用した地下トンネルの点検

洞道と呼ばれる地下トンネルがあります。これはオフィスビルの地下で都市空調の基幹インフラであり、漏洩、腐食、破損、漏水、変形などの有無を確認する点検業務があります。

以下記事の取材によると、その作業は非常に過酷なものであるとのことです。

 洞道内の空間には空調がされておらず、熱供給の配管が通っていることもあり「場所によっては気温40度ほどになることもある」という。しかもそもそも歩くためいできたトンネルではないので、狭い。「もっと狭いところもあれば、段差ができているところもある。それでも配管は2か月に一度は点検を受け、漏洩、腐食、破損、漏水、変形などの有無について確認されあければならない。当然ながら「体力的にはきつい作業です」という。

サービスとしてスタートしている活用事例ではなく、実験段階であり課題抽出が行われている最中ではありますがバッテリーの持続時間や狭い洞道内を完ぺきに自立巡回することができるようになれば、大きな省力化および効率化につながります。

ドローンを活用したビジネスというのはどうしても実用性があるかどうか、といった点を探りながら実験していくしかありません。今回の三菱地所、丸の内熱供給株式会社、ブルーイノベーション株式会社、株式会社Liberawarによって行われた実験は、先につながっていくことが期待される非常に有意義なものであったと思います。

まとめ

ドローンの自律飛行技術の進歩などにより、広い場所に限らず人が近寄れないような狭い場所などでのドローンの活用も見受けられるようになってきました。

屋内での飛行の場合、航空法の規制にならないとはいえ周辺設備との衝突リスクへや適切なデータを得るための工夫など、考慮しなければならないことは複数存在します。

屋内であってもドローンを活用する場合には、ドローンのプロフェッショナルと手を組んで進めていくことが最適でしょう。

どうしても探り探りになってしまうビジネスではありますが、ドローン運用およびシステム開発のプロフェッショナルとして、弊社も実験段階から開発まで一貫してご相談・ご対応できることを強みとしておりますのでお気軽にお問い合わせください。