インパクトある映像でコースをアピールしようと、多くのゴルフ場でドローンが利用されています。
こうしたPR動画の撮影に利用しているドローンで、適切な支援ソフトがあればドローン測量の技術が応用でき、コース管理や設計変更など経営の効率化に関わる貴重なデータを容易に取得できます。その方法について詳しく見ていきましょう。
空撮動画とレイアウト図でコース案内が人気
低空で飛行しながら高精細の映像が撮影できるドローンの動画は、ゴルファーにとってコース研究の絶好の素材。 コースレイアウト図と合わせて動画表示してコース紹介するゴルフ場も増え、クラブ選択に役立つとゴルファーに好評です。
自動航行でコースの定点撮影可能。季節感あるコース案内も
ドローンに自律飛行支援ソフトを導入すれば、飛行コースをタブレット端末などで設定するだけで、離着陸から、定められたコースの飛行、写真や動画撮影まで自動化できます。
自律飛行ですから、同一のルートを何度でも飛行でき、寸分違わぬ位置から春夏秋冬のコースの移ろいを収めることができ、季節感あるコース案内を簡単に作れます。
ドローンで水やボールの配達サービスも
真夏のコース場、喉が渇いて次の売店まで待てない、今冷たいお茶が欲しい。そんなゴルファーの願いを叶えるサービスが、自律飛行機能を生かして始まっています。
楽天は、2016年5月9日、千葉県のキャメルゴルフリゾートで、ゴルフプレイヤーに限定した世界初のドローン配送サービスを実施しました。プレイヤーは、専用アプリで欲しいものを注文するだけ。冷たい飲み物やスペアのゴルフボールなどをドローン配達、指定の受取り場所で受け取れるというものです。
米国では昨年秋から、Flytex社がノースダコタ州のキングスウォークゴルフコースでのドローン配達を開始。熱々のハンバーガーを届けるシーンが同社のホームページやYOUTUBEで公開されています。
ドローン測量技術がコース管理の省力化に貢献
自律飛行機能に、空中写真測量支援ソフトを加えると、空中写真から得られる高密度な点群データを利用して、コースの3Dモデル化が可能。近赤外線写真を利用すれば、芝の生育状況の調査も素早くできるようになります。
3Dマッピングでシミュレーションを見ながらコースリニューアル検討も可能
例えばコースのリニューアルでは、施主、設計者、工事従事者など、図面から完成状態の状況が目に浮かぶ人から、複雑な図面を見るのも嫌という人まで様々な人が関わります。ドローン測量により3Dモデルデータが容易に作成できます。平面図ではなく、3Dモデルデータを用いることでリニューアルプランの完成像や問題点をだれが見ても理解できるようになります。
また、これにより、シミュレーションを繰り返しながらリニューアル内容を検討でき、会議の効率化が期待できます。他にも、データが紙媒体ではなくデジタルデータとなるため、作業関係者がお互い遠く離れていても情報を共有することができ、円滑な工事の進行に貢献してくれます。
空中写真で芝の健康管理、肥料や農薬散布が効率的に
近赤外線カメラを利用すれば、波長の違いから植物の健康状態を知る画像解析(NDVI)も可能です。自律飛行で定期的に近赤外線写真を撮影・解析していけば、年間を通じた生育状況の変化を捉えることができ、効率的な肥料や農薬の散布を行うための情報収集の省力化、迅速化が可能です。近赤外線カメラは近年安価なものが登場、一般的なドローンにアタッチメントで簡単に取り付けられ、導入しやすくなっています。
自動巡回で、コース内の異常確認も
近赤外線カメラを搭載したドローンを自律飛行で敷地内を巡回させれば、不審者の早期発見など防犯防火に役立ちます。また、シカやイノシシ、サルなどの害獣の侵入経路の補足ができ害獣対策にも活用できます。
ドローン活用、支援ソフトで広がる用途
ゴルフ場におけるドローン利用は、プロモーション分野だけでなく、顧客への空輸サービス、巡回警備や芝の施肥や農薬散布などのコース管理、また、コースレイアウト変更など大掛かりな改革の検討資料作成まで、用途は広まるばかりです。
全てを包括したパッケージソフトも販売されていますが、弊社では受託開発を得意としており、必要に応じて最小限の機能だけを開発するといった対応も可能です。今回取り上げたようなことに当てはまるお悩みや、課題がありましたらどうぞお気軽にご相談ください。