高齢化と人口の減少が進む我が国にとって、EC・通販の需要増による個人宅配業務の大幅な増大が見込まれています。その一方で、宅配ドライバーの要員不足が深刻なものとなっています。小ロットの物資輸送手段としてドローン流通がその解決策として注目されており、海外ではすでに実用段階に、我が国でも実証実験段階にきています。ドローン流通では、とかく配送飛行距離や飛行スピードが注目されがちです。しかし、ドローン流通においては、商品をどれだけ効率よくストックし、注文に即応して配送に乗せるか、在庫管理の効率化が陸送同様に重要です。こうした流通を支えるバックヤード作業でもドローンの活躍が期待されています。本格的な実用化が迫るドローン流通の今を見ていきましょう。

流通におけるドローン活用の現状とは?

国際貨物輸送会社UPSは11月1日、米国ノースカロライナ州ケーリーで米国最大の薬局・コンビニエンスストア・チェーンCVSファーマシーと共同で、個人宅の庭の上に医薬品をドローンで届けたと発表しました。これは、同社が9月末に米国連邦航空局(FAA)によって承認されたプログラム下で実施された、初めての商業利用。いよいよ、本格的なドローン流通の幕開けと言えそうです。

実用化迫るAmazon Primeのドローン宅配

また、オーストラリアとフィンランドで実績のあるGoogleの兄弟会社Wing社も10月に国際貨物輸送FedExExpressや米国大手薬局チェーンWalgreensと組んで、バージニア州で商業飛行を開始しています。今、最も注目されているのが、 Amazon Prime Airの動向でしょう。同社のドローン流通は5ポンド未満の荷物を、30分以内に顧客の自宅に届けるというものです。米国、英国、オーストリア、フランス、イスラエルにPrime Air開発センターがあり、実証実験が進められています。同社のホームページに掲載されている動画から、近未来の流通革命を一足先に実感することができます。倉庫からベルトコンベヤーに載せられた小包は、自動的にドローンに格納され、離着。自律飛行して、顧客の住宅の庭先に着陸し小包が届けられるシーンは配送システムの高い完成度を感じられます。Amazonは、2019年6月に、数か月で商業飛行を開始するとアナウンスしましたが、現状、動きは見えません。

我が国でも進む流通ドローンのインフラ整備や実証実験

昨年、ドローンの飛行方法が一部規制緩和され、山間部など人口非密集地の上空では一定の条件を満たすことで、補助員を置かなくても目視外飛行させることができるようになりました。これを機に過疎地を対象とした長距離輸送の実証実験が相次いで実施されています。長野県白馬村(山間部の輸送)、福島県南相馬市・浪江町(郵便局間の荷物配送)、福岡県福岡市(離島における海上荷物配送)、岡山県和気町(過疎地域における荷物の配送)など飛行環境の違う地域での実験や、埼玉県秩父市(送電線上空を利用した「ドローンハイウェイ」)や長野県伊那市(河川上空に特化したドローン専用航路の開設「アクア・スカイハイウェイ」)など、フライト・インフラの整備も進められています。

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流通におけるドローン活用に必要な技術とは?

ドローンを物資輸送に活用するには、耐候性能の強化や飛行時間の延長やペイロードの充実、自律飛行、障害物回避など飛行性能の向上、緊急時のソフトランディングなどの危機管理など、ハードとソフト両面の技術が必要で、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進める「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」など国を挙げて研究が進められています。

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流通を支える在庫管理システム。ドローン活用でさらに効率化

こうした華々しいドローンの技術開発の中で、息を潜めて出番を待っているのが、バックヤード管理におけるドローンの活用です。

「欲しいものが、家に居ながらにしてすぐに手に入る」。消費者がEC・通販を利用する最大の目的がこれです。配達用のドローンの性能がいかに向上しても、商品の手配に手間取っていたのでは意味がありません。

今後、小ロットかつ高密度の配達が求められる中で、取扱商品の種類は多様化の一途をたどり、在庫管理の重要度はますます大きくなります。在庫管理システムは、入荷、入庫、出庫、出荷検品などをデータ連携して業務を効率化するもので広く普及しています。しかし、ラック上の在庫確認は、スタッフがスキャナーを手でかざしているのが現状ではないでしょうか。ドローンなら、定期的に倉庫内を自律飛行させ、搭載したカメラで商品の在庫状況を把握、リアルタイムにデータ共有することが可能です。

倉庫管理を理想的に改善、想画のドローンマーカー誘導システム

倉庫内など室内の飛行では、航空法の制約がないため、ドローンを自由に自律飛行がさせることができます。さらに、雨風に晒されることもなく、充電も頻繁に行えるので、堅牢な機体でなくても利用可能です。

弊社では、マーカーによる飛行制御システムを開発し、建屋の要所にARマーカーを配置、ドローンがマーカーに記された進行方向などの命令を読み取り、指示通りに自律飛行させることができます。ドローンを倉庫の在庫ラックの間を定期的に自律運行させ、飛行しながら在庫商品につけられたタグをスキャンしていけば、人手よりも密度の濃い管理が可能となり、いつでも最新の在庫状況が把握できます。現品の数量と品質管理により、在庫情報と現物数量の一致が円滑に進み、入庫・出庫などの在庫関連作業にかかるコストを最小限化に貢献すると発送のスピードアップにつながります。

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流通現場にも広がるドローンの用途

弊社は、パッケージソフトウェアの販売は行っておりません。それは、お客様のご要望にお応えするにはワンオフのシステムが最適であるとの考えのもと、受託開発をモットーとしているからです。例えば在庫管理一つとっても、倉庫の大きさ、管理される商品の種類から、取引先その他のデバイスとのデータ連携や解析ソフトまで、お客様の業種によってニーズは異なります。それらを一つ一つご相談しながら作り上げていくことが弊社の持ち味です。

また、マーカーによる自律飛行制御システムの用途は広く、赤外線センサーなどと組み合わせれば、セキュリティーシステムを兼ね備えた倉庫管理システムの開発なども考えられます。そうした可能性を、ドローン運用に精通したシステム開発のプロフェッショナルである弊社だからこそ広げることができると考えます。やりたいと考えていることがあれば、実現できるかどうかわからないことでもまずはご相談ください。