ドローンを所有されている方々は、ドローンの操縦トレーニングはどこで行っていますでしょうか。人口集中地区に該当する場合、航空法の規制により、たとえ私有地であっても屋外でドローンを飛行させることはできません。航空法の規制の対象外である場所まで移動して飛行させるか、ドローンを飛行させることができる施設で飛行させる、といった流れになるかと思われます。屋内での飛行は航空法の規制対象外ですが、GPSが受信できないため初心者の方にはおすすめできません。
では、近隣にトレーニングできる環境がない場合にはどうすべきでしょうか。今回はそういった場合のために、普段から手軽にできる室内でのトレーニング方法についてご紹介いたします。
ホビードローンを使用したトレーニング
ホビードローンを使用した室内でのトレーニング動画です。 ホバリングの基礎トレーニングを行っています。
小さなドローンであれば動画のように狭い室内でも、飛行させることができます。動画のような小さなドローンは安定感がなく、ホバリングさせるだけでも難しいものです。中型~大型のドローンのような非常に安定した飛行ができる機体を普段お使いの方であれば、特に難しく感じるでしょう。ホバリングを行う際に常に細かく舵を入れる必要があるため、基礎的なことでありながらも有意義なトレーニングです。ご自身のスキルや飛行できる場所に応じて、以下のような飛行トレーニングを行うのも良いでしょう。
- 対面ホバリング
- 横向きホバリング
- 八の字飛行
- ノーズインサークル
シミュレーターを使用したトレーニング(DJI製品の例)
DJI製品であれば、DIJ GOアプリでシミュレーターを使うことができます。シミュレーターを使用するにはドローン本体、送信機、モバイル端末すべてが必要です。実際に送信機を操縦して機体を飛行させるシミュレーションが行えます。
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フライトシミュレーターのメリット
- 無料で使うことができる
- 実際に飛行させる時と同様に、送信機でドローンを操縦できる
- 天候に左右されず、室内で気軽にできる
- 風速などを調整してシミューレーションすることもできる
- 実際に飛行させるよりもバッテリー消費が少ない
本物のドローンを墜落させてしまうのが怖い初心者の方などが、基本的な操縦を覚える場合などには特に有効です。本物のドローンを飛行させるトレーニングの方が当然有意義ではありますが、フライトシミュレーターは手軽さが最大のメリットと言えます。
フレイトシミュレーターのデメリット
- 仮想空間での操縦になるため、実際の飛行とは多少の違いがある
- 障害物などが一切ないため、危険を想定したトレーニングができない
非常に便利なフライトシミュレーターですが、どうしても実際の飛行とは勝手が異なります。フライトシミュレーターだけトレーニングしておけば良い、ということにはなりません。フライトシミュレーターでのトレーニングと、実際に飛行させるトレーニングを上手く組み合わせるのが理想的です。
トレーニングの必要性
今回ご紹介したようなトレーニングは、残念ながら許可申請においての飛行実績として必要な「10時間」には計上できません。しかし日頃のトレーニングにより、操縦技術は着実に磨かれます。操縦技能が磨かれれば空撮の完成度や、安全な操縦へとつながっていきます。
また、今回紹介したホビドローンのように「不安定なドローン」の操縦を普段から行っていると、GPSが突然受信できなくなるなどして飛行が不安定になっても冷静に操縦することができます。
空を飛ぶドローンには、いつどのようなトラブルが発生するか分かりません。様々な事態に対応できるよう普段からの取り組みを工夫することが必要です。