ドローンのビジネス利用を考えたとき、墜落や衝突等により『人間や機材にダメージを与えてしまうリスク』にどう対処するかは重要な検討課題です。個人がホビー用途で利用する場合、これまではラジコン保険(個人賠償責任保険)に加入するケースが多かったかと思いますが、ビジネスに利用する場合は産業用の保険を検討することになります。

ドローンが社会的に注目を集め始めたことで、ドローンを対象とした保険を提供する保険会社も増えてきました。
アメリカでは保険会社大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が損害調査にドローンを使用するなど、保険業界もドローンに注目していますので、今後もプライバシー対策等、様々な保険サービスが提供されていくものと思います。
自社のビジネスにどのような保険が必要か悩まれた際は、取引中の保険会社に相談し、リスク対策をご検討ください。(保険会社へ相談する際のポイントなどは、弊社でもご相談に応じております。)
まずは日本国内の大手保険会社のサービスを見てみましょう。

※これらの情報は、2016年04月01日時点の情報をまとめたものであり、内容が変更になっている場合があります。
この情報に基づいて不利益が生じたとしても、一切の責任は負いませんのでご留意ください。
また、実際の飛行に関しましても、各自の責任において申請等を行ってください。

産業用無人ヘリコプター総合保険(東京海上日動火災保険)

東京海上日動は2015年7月から、ドローンを取り扱う事業者向けに「産業用無人ヘリコプター総合保険(ドローン保険)」の販売を開始しました。
産業用無人ヘリコプター総合保険は、動産総合保険と施設賠償責任保険を合わせて加入できる保険です。
第三者・不動産を巻き込んだ事故が起きた際の賠償だけでなく、機体が落下や衝突した場合の修理・買い替え費用などの補償を受けることができます。

【対象ユーザー】

法人

【対象機種】

貴社が所有する総重量※150kg未満かつ保険金額10万円以上の産業用無人ヘリコプター(レジャー用および曲技用の無人ヘリコプターは対象となりません)
※燃料、薬剤、機器等すべてを搭載した状態での重さをいいます

検討のポイントとして、まず重量が150kg未満に限定されていることが挙げられます。空撮用途のドローンはカメラやバッテリー等の重量を入れても1kg~5kg程度のものがほとんどであるため、まず問題なく保険適用できるといえます。

また、動産総合保険と施設賠償責任保険を組み合わせることで、補償範囲も広めに設定されています。実際の条件は使用用途により変わりますが、支払われる保険金の一例を紹介します。

  • 動産総合保険

    • 損壊した機体の修理費用
    • 損壊した機体の残存物の取片づけ費用
    • 紛失した場合の捜索・回収費用
    • 盗まれた場合の保険金支払い
  • 施設賠償責任保険

    • 人やモノにぶつけた場合の保険金支払
    • 訴訟や示談交渉においての争訟費用

産業用無人ヘリコプター総合保険の取扱代理店として、グッド保険サービス株式会社などがあります。

DJIドローン賠償責任保険(三井住友海上火災保険)

DJIドローン賠償責任保険が2016年1月10日より補償がスタートしました。DJIドローン賠償責任保険には3つのプランが有り、保険料12,000円/年から保険を申し込むことができます。身体・財物共通限度額 は1億円~7億円まで幅があるため、用途に応じて選択できます。
保険の加入日に関わらず、補償の満期日は一律2017年1月10日です。

【対象ユーザー】

法人、事業に利用される個人(※ホビーユーザーは加入不可)

【対象機種】

  • INSPIREシリーズ
  • PHANTOMシリーズ
  • Matriceシリーズ
  • Mavic
  • AGRAS MG−1
  • その他DJI製のフライトコントローラを搭載した機体
DJIドローン賠償責任保険のメリットは以下の通りです。
  1. 申し込みがWEBフォームから簡単に行える
  2. 保険の詳細がWEB上で明記されている
  3. DJIユーザー専用の団体保険なので、個別に申し込むより保険料がお得

DJIドローン賠償責任保険の取扱代理店

保険料着金日の翌日より適用されるため、申請をお急ぎの場合にもおすすめです。
※詳細はお取り扱い代理店へお問い合わせください。

DJI無償付帯保険(三井住友海上火災保険)

DJI対象製品の購入特典として、第三者への賠償責任保険が一年間無償付帯されます。

【対象ユーザー】

対象商品を購入した全てのユーザー

【対象機種】

Mavic Pro、Phantom 4 Pro/Pro(ディスプレイ付き送信機)、Phantom 4、Phantom 3 Professional/Advanced、Phantom 3 Standard、INSPIRE 2 シリーズ、MATRICE 100、AGRAS MG1

DJI無償付帯保険には、法人・個人事業主向けの「標準プラン」と個人向けの「限定利用プラン」があります。標準プランは1事故につき対人1億円/対物5千万円 まで、限定利用プランは1事故につき1億円まで(対人・対物合算)+交通死亡・後遺障害保険金100万円、と保険内容に差異があります。なお、限定利用プランはホビーユーザーのみ加入できます。法人・個人事業主は限定利用プランには加入できません。

DJI無償付帯保険のメリットは以下の通りです。

  1. 申し込みがWEBフォームから簡単に行える
  2. 保険の詳細がWEB上で明記されている
  3. 一年間、無償で保険が付帯される

DJI無償付帯保険の取扱代理店

DJI機体保険(三井住友海上火災保険)

エアロエントリー株式会社は、2016年4月10日よりDJIドローン機体保険の補償を開始しました。DJIドローン機体保険は、操作ミスや突風に煽られ機体が損傷した際に発生する、修理費用や、機体が盗難に遭うなど買替費用が発生するリスクに備える保険です。保険の加入日に関わらず、補償の満期日は一律2017年1月10日です。

【対象ユーザー】

対象商品を購入した全てのユーザー

【対象機種】

  • INSPIREシリーズ
  • PHANTOMシリーズ
  • Matriceシリーズ
  • Mavic
  • AGRAS MG−1
  • その他DJI製のフライトコントローラを搭載した機体

DJI機体保険は賠償責任保険とは違い、機体そのものにかける動産保険です。この保険には、DJI完成品機体のみならず、DJI製フライトコントローラーを利用した機体であれば、オリジナルで製作された機体も加入することができます。
また、ドローンに搭載するジンバル、伝送装置、カメラ、センサーなどはメーカーを問わず、加入することができます。
操作ミスや突風などによって機体が落下や衝突した場合の修理・買替費用の負担が気になる方、ドローンに特別なカメラやセンサーを搭載して使用されている方で、修理・買替費用の負担が気になる方は加入を推奨致します。

DJI機体保険の取扱代理店