生態系観察へのドローン活用

近年ドローン等の無人航空機の活用が様々な場面で見受けられています。ドローンの実用化は急速に進んでおり、基本的な性能だけでなく、様々なアプリケーションとの組み合わせによってドローンの可能性は大きく広がっています。生態系観察の領域においても、それは例外ではありません。

現在地球上には多種多様な動物が存在し、そのいくつかは絶滅の危機に瀕しています。また、絶滅の危機に瀕していなくとも、その生活様式や集団行動が謎に包まれたままの動物も多数存在します。そうした絶滅危惧動物の保護や生態系解明のため、彼らの生息域である自然の森や原野への定期的な調査が行われています。

これらの調査業務の負担を軽減する手段として、ドローンの導入があげられます。

具体的には、対象とする動物の個体の1つ1つに簡単なセンサーを取り付けます。そして、ドローンにセンサーのデータを処理するアプリケーションを付属させることで、センサーとドローンの間で情報をリアルタイムに集めることができます。

これにより、保護が必要な動物の健康状態や観察したい動物の行動等の情報を遠隔にいながら収集することも可能になるため、従来は人間が時間をかけて行っていたこと、あるいは、時間をかけても調査が難しかった生態系のデータ収集が容易となります。また、絶滅に瀕している動物の健康状態を管理し、問題があればその治療をいち早く行うこともできるようになると考えられます。

豊田市では、環境省と共同で「アカミミガメ対策推進プロジェクト」の一環として、“ドローンの低空低速飛行によって、撮影した画像を解析し、種類や個体数等を調査する防除モデルの構築“の先駆的な取り組みを始めています。

豊田市は、環境省と共同で、ドローンを活用した動画撮影により、二級河川逢妻男川と逢妻女川に生息するアカミミガメの分布状況を調査します。 全国の河川や湖沼で、米国原産の外来種であるアカミミガメが増殖・定着し、在来の生態系や農業への被害が出始めているため、環境省は、昨年7月に「アカミミガメ対策推進プロジェクト」を発表し、アカミミガメ対策を総合的に進めていくこととしています。環境省ではその一環として、今年度より自治体等と協力し、河川や湖沼における防除手法や体制について検討するモデル事業を開始しています。豊田市も先駆的な取組となるこの事業に参画し、逢妻男川と逢妻女川の防除モデルを構築していきます。

また、大日本猟友会はDJI JAPAN及びスカイシーカーと連携し、ニホンジカなどの鳥獣の生息調査を目的としたドローンの活用に動き出しているようです。

赤外線カメラで静止画を撮影し、動物の体温を感知して自動判別する仕組みで、撮影した画像を解析することによって生息数を割り出しています。

空を飛行するイメージの強いドローンですが、海の中を泳ぐ水中ドローンの開発も進んでいます。昨今、趣味としての利用も増えてきているドローンですが、飛行となると法規制の厳しさから現状色々難しいこともあるかと思います。

その点、水中ドローンはその楽しさだけでなく、安全性という点でも、クラッシュや墜落ということがない分、比較的飛行目的のドローンよりも扱いやすいといえるのかもしれません。

今後ドローンの開発がさらに進み、水中調査の安全性や精度が高まることで、今後様々な生物の謎が解き明かされていくと考えると、わくわくしてきますね。将来的には、空から、そして海からとドローンの活用が浸透していくことで、謎に包まれていた動物の生態系が明らかになり、科学的な進歩も期待できることでしょう。